東邦亜鉛では自社で使用するカドミウムのおよそ二〇パーセントをニッカド電池から回収したもので賄っている。しかし、リサイクル事業とはまじめにやると赤字になるものなのだ。そこで電池メーカーと相談のうえ、応分の負担、すなわち材料の値上げを交渉するという。日本蓄電地工業会の調べによると、ニッカド電池の回収率は一九九二年の実績でおよそ一八パーセントしかない。「ニッカド電池はほとんどが製品と一体になっているため、本体の製品を保有している限り捨てないし、リサイクルにも回さないのではないでしょうか。たぶん、ダンスの奥にでもしまわれているために回収率が低いのではないかと思われます」と日本蓄電地工業会関係者は語っている。それにしても回収率が高ければ高いほど企業の利益が失われるとはなんたる皮肉ではないか。これもまたリサイクルの知られざる真実なのである。鉛電池リサイクルの最大の問題点ニッカド電池とならんでわれわれの日常生活に密着した蓄電地が鉛電池だろう。クルマのバッテリーといえばよりわかりやすいかもしれない。じつは蓄電地で実用化されているものはニッカドと鉛しかないのだ。