最近の披露宴のスピーチで聞きづらいのは新郎新婦の勤務している会社のPRです。結婚は個人の祝いごとであって、それを利用して会社なり、その製品のPRをするなど、忠義立てをするつもりかしれませんが、何となく不愉快な感じを一般の参会者に与えがちです。つぎに若い友人が、親しさをあらわすあまりに新郎新婦を「トシ坊」とか「ユカッペ」「パンダちゃん」などとアダ名や愛称で呼ぶのもよい感じのものではありません。やはり結婚は儀式であり、かちんとしたお祝いの行事なのですから、相手には敬称を使う折り目正しさが必要です。また、同僚のスピーチで、「新郎はチュウケンホープとして。」など、さかんにチュウケンを連発するので、中堅社員の中堅かと思ったら、その会社の中央研究所の中研のことでした。会社の内部の人にはそれで通じるのでしょうが、外部のお客様の多い披ぶ宴では、そんな専用の略証は通じるわけはありません。近ごろの若い人は「スゴク」をスゴク連発するクセがあって、披露宴のスピーチのなかにもやたらに登場しますが、おめでたい披露宴の席上でそう言われても困ります。メクラ、チンバ、ハゲなど肉体上の欠陥をあらわす言葉も注意して、目や足の不自由な人、頭髪のうすい人というように表現しましょう。そのほか、シラミつぶし、ミソもクソも、などの形容や、トイレ、ボイン、オナラなどの言葉もつつしむように気をつけましょう。今正しい姿勢と服装に注意スピーチをしている人の姿勢は、自分では気がつきませんが、他人から見ておかしい場合が少なくおりません。テーブルに両手をついて、中腰になり、上目づかいに話している人は、ガマガエルのように見えますし、話しながらあたりをキョロキョロ見まわしたり、ロに手を当てたり、鼻をこすりあげたり、やたらに髪に手をやったりするのも見苦しいものです。話に夢中になって首を左右に振ったり、貧乏ゆすりをやめない人もいます。いずれも当人は気がっかないのが常ですから、あらかじめ家族の前でスピーチの練習をして、自然に出てしまうクセを注意してもらいましょう。練習のときには大きな姿見などに全身を映してしてから立つことも大切です。みて、話している自分の姿勢を見て正すこともたいせつです。正しいスピーチの姿勢は、両足を自然に少し開き気味にして、腰はしっかりと仲ばし、胸はいくぶん張ってネコ背にならないように気をつけ、肩からは力を抜いて体の重心が両足に平均にかかるように安定して立つポーズです。声を大きく出すと、どうしてもアゴが突き出すので、つねにアゴを引くように気をつけ、手は軽く休の前で組むか、または両腕を自然に下げて、片手でもう一方の親指をにぎるとフシギにあがらずに話かできます。ある来賓は、スピーチの途中で、ふと自分のズボンのファスナーが外ずれているのに気づいたとたん、カアーと熱くなってあとがつづかなくなり、ついに立ち往生してしまったそうですが、そんな失敗のないように、服装の乱れを十分に点検しましょう。