裸石(ルース)が陳列されているか

2011.06.15

私が海外で買い付けする宝石の80%は裸石(リングやペンダントなどにセッティングされていない宝石だけの状態)です。イタリアなどのデザインの優れた製品を買い付けることもありますが、それは宝石を買い付けるのではなく、宝飾品のデザイン・フォルムが素晴らしいから買い付けているのです。宝石店で裸石を扱っているということは、消費者にとっては、宝石を手に取って、全方位すべての方向からキズや色、欠点などの品質チェックが簡単にできるということです。人間でも人前で裸になるには相当な自信が必要ですが、宝石も裸石でお客様にお見せするには、自信がないとなかなかできないことです。また、店側から見た場合、お客様に裸石を販売する際、リングなどの製品に加工しなければなりません。この場合はデザイン画を提供したり、加工代金を現金で支払ったりと、リスクも多く高くなります。このような、手間とリスクをいとわずに裸石にこだわる姿勢は、良い宝石をお客様に、できるだけ良心的価格で提供したいとの宝石商の心意気がなければできないことです。そして、宝石を裸石で仕入れて一貫して製品化する過程で、宝石の価格、デザインの良し悪し、加工職人の重要性、工賃などにも、店側は精通して、より消費者の役に立てる宝石商へと成長していくのです。自店で在庫を持つリスクも取らずに、メーカーや問屋の委託商品(貸し出し品)を店頭に並べるだけの一部の百貨店や大手宝石チェーン店に比べれば、信用のできる店です。自分の商売にリスクを負い、責任を負い、プロの誇りを持った宝石商からの購入をぜひお勧めします。