よく、片親で、長男一人、そういうのは親の面倒を見るから、この縁談は駄目と頭から断るひとがいる。母子家庭で、さぞ母親が期待しているだろうとか、そういう家はさぞ母親がうるさいだろうとか。それはいってみなければわからないことだし、最大公約数で個々の事情を見落とすこともおかしいと思う。これも本人同士の問題である。お母さんによっては、片親で育ててきて、息子が結婚してくれて嬉しい。あとは息子の妻に任せて、もう一度、私は勉強したいと進んで別居するひともあろう。また、息子を愛していて、今まで尽くしてくれたお母さんに感謝し、お母さんを楽にしてあげたいと願うやさしい娘もいる。私は、子どもたちが結婚したとき、ほっとした。それぞれの相手が子どもをあずかってくれてありがたいという思いで。知り合いに、その家にからだの不自由な娘のいることを知っていて、その兄のところに進んで嫁いで来たひともある。その妹の世話をしてあげたいと言って。人間はすばらしい。それぞれに与えられた環境の中で、皆自分を生かし、相手も生かすことを知っている。その根底にあるのは、やっぱり愛の心である。