二百万円払って詐欺にあう?

2011.10.24

いよいよ契約というときに、とんでもない重大な話が出てきました。このオンボロビルは借金の抵当になっていて、持ち主は借金が払えず乗っ取られ、入居者たちは追い出しをかけられているというのです。もちろん、したたかな入居者たちは素直に追い出しに応じるわけもなく、相応の保証金をせしめるつもりだが、売れるものなら売ってしまおうという考え。中古品屋もそうで、初めてそんなにうまい話ではなかったことが分かったのです。しかし、ここまで決心してお金を用意してきたのに、いまさら引き下がるのはいやでした。やるしかない。入居者を追い出しにかかっているビルの所有者が、店の名義変更を認めてくれるはずがありません。それで、この契約は秘密ということになりました。そのため看板も変えられず、私は表向き「店長」として店を預かっているという形にしなければなりませんでした。こうして目茶苦茶不利な契約が済み、店に行って、さらにビックリ。一昨日あれほどあった商品が、目ぼしいものはほとんどなくなっていたのです。残っている商品にも「売約済み」の札が。明日から私が商売するのに、まともな商品がない。二百万円も払って、詐欺に会ったようなものです。商売って、油断もスキもあったらだめです。そのことを、しょっぱなから学ばせてもらいました。それでも私は、自分の店を持ってヤル気で燃えていました。料理屋は売る約束をしてしまったし、厳しい母親から借金。子供二人。あとに引けないという事情もありましたし……。