ある大手マスコミS社のエントリーシートは、「ビジョン/アクションシート」と名づけられている。記入事項をみてみよう。氏名、生年月日、連絡先、学歴(学部・学科)、入学年度及び卒業年度、海外居住経験・留学歴、保有資格(取得年月)、卒業論文・ゼミ研究テーマと概要など、短く回答できる項目がまず並ぶ。その後、S社でやりたい仕事と、本人のどこをその仕事に生かせるのかについて、約一〇行記入する欄がある。続いて、学生時代に力をいれたことを、箇条書きに記す欄があり、その下に、そのうちでもっともアピールしたいものを具体的に書くことが要求される。この部分は約一六行分とスペースが広めにとってあり、記述する側も読む側も苦労するところであろう。最後に、その他アピールすることがあれば、という自由回答欄があり、記入事項は終わる。本人の生得的属性データと、資格・学歴などの後天的獲得データに加えて、企業への貢献可能性と、自己PRというかたちで学生時代の行動とその成果を問うという構造は、多くの企業のエントリーシートに共通している。自己PRについては、「あなた自身を自由にPRしてください」「学生時代に一番力をいれたことを六〇〇字以内で書いてください」「今までやってきたこと、これからやりたいこと、得意なこと、どんなテーマでも結構です。あなたを自由に表現してください」など、質問形式や方法はさまざまだ。ユニークなところでは、「もっとも自分自身があらわれていると考える写真を添付する」ことを要求してくるエントリーシートもある。
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