低いヒールのパンプスで大股によく魅力的な女

2011.05.06

ある日、鏡の前に立ち自分の服について考える。似合っているだろうか、きれいに見えるだろうか、何かが違うのではないか、本当にそれでいいの?と。たった一枚のブラウスに気持ちが揺らぐ。あなたが望んでいるものは、それではないと鏡の中の私が答える。おしゃれが好きだからこそ、おしゃれに傷つき、翻弄される。自分のことがわからないから、人のことが気になって心の中がささくれだつ。どんな人にも必ず美しさがある。誰でもそれを見つけることができる。そのことを私はミラノの街に教わった。柔らかい茶色の髪をリボンで束ね、紺のジャケットの背筋を伸ばし、低いヒールのパンプスで大股によく魅力的な女たち。彼女たちはきっぱりと言う、私の肌にはこれが似合う。私のいいところはここなの、と。その自信と客観性に満ちた姿。おしゃれの主人は物でなく、自分自身なのだと知らされる。