イスラム世界で出会った、中庭型式の家

2011.11.10

中庭型式の家である。こちらの方は亜熱帯の乾燥地帯だから日本の家とは共通点がないと思うのも無理はないが、あるのである。こちらの家は石や土を固めた日干し煉瓦などを積んで壁を造り、その上に木造の屋根を載せる。二階床もまた木造だ。広い中庭の外周に部屋の巾ほどの余裕を取ってその四周に壁を巡らす。壁には小さな覗き穴程度の窓しがないが、部屋を取った内側、つまり中庭に面しては石積みの列柱を立て並べているから、部屋は中庭に対して開かれている。二階建てだと二階分の高さのある列柱が中庭を取り巻くのだから、なかなかに壮観な姿になる。まことに派手な造型だが、こんな派手さを彼等は好むのであろう。中庭の中心には大きな池がある。幾何学的形態というか、直線や円弧を組み合わせた石造のプールと言った方がよい。噴水があったり、ライオンの口から水が流れ落ちたりしている。樹木は少しだけある。椰子の木だろう。幹が長々と伸びていて一番上に葉が少し。仰ぎ見ると四角く切り取られている空は雲一つなく真っ青だ。日本の町屋の中庭の比ではない。家自体がこの池を取り巻くべく造られている。砂漠の中に人工的なオアシスを造っているように思われた。